BEEP音とエラー点滅
前回はよくある症状の1回目として、動作が遅いというものを紹介しました。
今回もよくある症状の1つ、「パソコンが起動せず音が鳴る」、「音は鳴らないが、白色と橙色の点滅が続いている」などハードウェアのエラーによって引き起こされるエラーの診断方法について紹介していきます。
POSTエラーについて
POST(Power-On-Self-Test)と呼ばれ、パソコンの電源を入れた際に、簡単な診断が行われます。その際に内部のハードウェアの接続や、キーボードの接続などでエラーが生じた際にエラーが発生します。
皆さんも見たようなことがあるとすれば、「キーボード接続エラー」や、「CPUファンエラー」、「CMOSエラー(時間設定されていない)」などがあります。
上記のエラーが出た場合は、キーボードの接続の確認やCPUクーラーの交換、BIOS画面で時間の設定などを行うことでエラーが消えることになります。
ちなみにこの症状はデスクトップ、ノートパソコン両方の内容ですが、パソコンメーカーによって点灯、エラーの内容などは変わるので詳しくはページ下部部分に詳しく載せておきます。
BEEP音の詳細
下記の内容はAMIというBIOSを搭載しているマザーボードのビープ音の一覧です。
例えば、長音1回短音2回という内容であればピーッピッピッという連続した音になります。
とは言え実際お預かりする内容は、殆どと言っていいほどメモリエラーが多数を占めていますので、メモリの刺し直しやメモリ交換が主な作業になる場合が多いです。
BEEP音 | BEEP音の説明 | 故障個所 |
---|---|---|
短音1回 | DRAM refresh failure.(DRAMリフレッシュエラー) | メモリ、マザーボード |
短音2回 | Parity error.(パリティエラー) | メモリ、マザーボード |
短音3回 | Base 64 K RAM failure. (64Kメモリ障害) | メモリ、マザーボード |
短音4回 | System timer failure.(システムタイマー障害) | メモリ、拡張カード、マザーボード |
短音5回 | Processer failure.(プロセッサー障害) | CPU、拡張カード、マザーボード |
短音6回 | Keyboard controller Gate A20 error.(キーボードコントローラーエラー) | キーボード、拡張カード、マザーボード |
短音7回 | Virtual mode exception error.(プロセッサ例外割り込みエラー) | CPU、拡張カード、マザーボード |
短音8回 | Display memory Read/Write test failure.(メモリの読み書きエラー) | ビデオカード |
短音9回 | ROM checksum failure.(ROMチェックサムエラー) | BIOSチップ |
短音10回 | CMOS shutdown register read/write error (レジスタ読み書きエラー) | BIOSチップ |
短音11回 | Cache error.(キャッシュメモリテストの失敗) | マザーボード |
長音1回、短音2回 | Failure in video system.(ビデオカードの一部であるメモリ内の障害) | ビデオカード |
長音1回、短音3回 | Memory test failure.(メモリテストエラー) | メモリ |
長音1回、短音8回 | Display test failure.(ビデオカードテストエラー) | ビデオカード |
このように音が鳴るのはスピーカーがきちんと接続されているからです。
通常のマザーボードはスピーカー内蔵のマザーボードもありますが、最近のBTOデスクトップPCではスピーカーが接続されていない場合がありますので、電源は入っているが画面が表示されないなどの場合は、一度ケースを開けてスピーカーが接続されているか確認してみましょう。
電源ランプ点灯からの点滅、充電ランプの点滅
点滅する場合も内部のハードウェアの問題があります。
主な点滅個所は電源ボタン、充電ランプです。今回は一例でDell Latitude 3500のサービスマニュアルから抜粋していますが、HP(HewlettPackard)のノートパソコンや、Dellのデスクトップパソコン、ノートパソコンも点滅します。
点滅パターンは各メーカーページで確認してください。
点滅パターン | 考えられる問題 | 考えられる故障個所 | |
橙色 | 白色 | ||
2 | 1 | CPUの障害 | マザーボード |
2 | 2 | システムボードの障害(BIOSの破損またはROMエラーを含む) | BIOS、マザーボード |
2 | 3 | メモリー/RAMが検出されませんでした | メモリ |
2 | 4 | メモリー/RAMの障害 | メモリ |
2 | 5 | 無効なメモリーが取り付けられています | メモリ |
2 | 6 | システムボード、チップセットエラー、クロック障害、ゲートA20障害、Superl/Oの障害、キーボードコントローラーエラー | マザーボード |
2 | 7 | LCD通信の障害 | LCD、LCDケーブル |
2 | 8 | LCDケーブル障害の為、LCDに電源が供給されていません | LCDケーブル、マザーボード |
3 | 1 | RTC(Real-Time-Clock)電源障害 | CMOSバッテリー |
3 | 2 | PCIまたはビデオカード、チップの障害 | マザーボード |
3 | 3 | BIOSのリカバリーイメージが見つかりません | BIOS、マザーボード |
3 | 4 | 検出されたBIOSのリカバリーイメージは無効です | BIOS、マザーボード |
3 | 5 | ECで電源シーケンス障害が発生しました | BIOS、マザーボード |
3 | 6 | SBIOSによってフラッシュの破損が検出されました | BIOS、マザーボード |
3 | 7 | MEがHECIメッセージへの返信を待機している間にタイムアウトしました | BIOS、マザーボード |
LEDのパターンもビープ音と同じようにハードウェアのエラーです。
昔はメモリーのエラーが多かったのですが、最近ではBIOS、CPU、EC等々壊れる要素結構あるので見てみないとわからないことが多いイメージですね。
また点滅もその通り点滅しない場合も多くて特定に時間がかかったり結局不明だったり…と謎なことも多いです。
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